中小企業診断士試験は、中小企業支援法第12条の規定に基づき国(経済産業省)が実施する国家試験であり、試験事務は指定試験機関である社団法人中小企業診断協会が実施している。
試験は第一次試験と第二次試験に分かれる。
■第一次試験
中小企業診断士となるのに必要な学識を判定するもので、多肢選択式で実施されている。平成18年度からは以下の科目編成となり、科目合格制が導入される。
・企業経営理論
・運営管理
・中小企業経営・中小企業政策
・経済学・経済政策
・経営法務
・財務・会計
・経営情報システム
なお、一部の科目については、他試験合格者に対する免除措置がある。例えば、情報処理技術者試験の一部区分の合格者は、申請により経営情報システムの免除が可能である。
中小企業診断士1次試験では、平成17年度からようやく正解肢と配点が公表されるようになった。
正解肢と配点の発表は、中小企業診断協会webサイト上で試験の翌日もしくは翌々日に行われる(試験実施が土日で、月曜日の午後にアップされる)。
平成13年度から1次試験は多肢択一式試験となったが、正解肢が複数ある問題や正解がない問題の存在、合格率を一定にするための配点調整の疑惑がささやかれていた。
正解肢と配点が公表されることにより、このような疑義がなくなり、国家試験として公平なものになることが期待できる。
正解肢の発表に伴う試験制度の改善としては既に次のような例がある。平成17年度試験では、「企業経営理論」で問題が成り立っていない「没問」の存在を認めた。この訂正は、出題の前提となっている社会保険制度の仕組みの認識自体が根本的に誤っており、正解肢発表の時点で同時に没問発表が行われた。
平成18年度試験では「運営管理」で、正解肢が2つ存在するという訂正を行った。これは、受験機関であるLEC東京リーガルマインドが正解発表への抗議を行ったことによって、後日訂正された。この場合は、外部からの指摘なので、正解肢の入れ替えは行われなかった。
申込者数16,595人と過去最高を更新した新試験制度初年度(平成18年度)の試験結果は、受験者数12,542人、合格者数2791人で、合格率は22.3%となった。
問題自体は従来よりもおおむね易化し、「経営法務」や「経営情報システム」、「運営管理」といった、従来40%未満の得点であしきりの憂き目に会うことが多かった科目の易化が非常に特徴的であるが、合格率そのものは17年度の水準(22.2%)とほぼ同じとなった。
新試験制度初年度は合格率が上がること(平成13年度51.3%)や診断士数増加の政府施策から合格率の上昇が予想されたが、結果としてみれば変更はなかった。
■二次試験
第一次試験合格者を対象に、中小企業診断士となるのに必要な応用能力を判定するもので、筆記試験(事例に関する記述試験)及び口述試験を行う。
■合格率
合格率は一次試験は16%から20%、二次試験が10%から20%となっており、最終的な合格率は3%から4%であり難易度の高い試験であると言える。
■民間の診断士養成機関
はじめて民間診断士養成機関として、法政大学、中京大学、社会経済生産性本部が登録された。
1次試験合格を要件として、民間の養成期間で所定の課程を修了すれば、2次試験に合格しなくても中小企業診断士としての登録が可能となる。
法政大学は、専門職大学院イノベーション・マネジメント研究科(ビジネススクール)に、中小企業診断士登録養成課程を設置。昼間主体の1年制プログラムとして実施し、MBA取得に必要な履修単位が含まれることから経営管理修士(MBA)の学位取得も可能。
中京大学は、大学院ビジネス・イノベーション研究科(MBA)に中小企業診断士コースを設置。夜間主体の2年コースとして実施し、MBA取得に必要な履修単位が含まれることから経営管理学修士の学位取得も可能。
社会経済生産性本部は、全日制6か月コースとして中小企業診断士登録養成課程を設置。第一線で活躍する経営コンサルタントを講師に、即実践可能なノウハウの提供を重視したコース。
また、中小企業大学校旭川校の市場化テスト(包括民間委託)を、受験校である東京リーガルマインドが受託した。